ペットが呼吸困難を起こしたとき、すぐに酸素を供給できる環境を整えることは非常に重要です。とはいえ、市販の酸素室は高価なものばかりで、すぐに用意するのは難しいでしょう。
そこで注目されているのが、ペット用酸素室を手作りすることです。今回の記事では、酸素室を手作りする際の注意点や必要なアイテム、代用品の活用法についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
そもそも、なぜペットに酸素室が必要なのか?

人間と同じように、ペットも病気やケガなどで呼吸が苦しくなることがあります。そんなとき、酸素濃度の高い空間に入れることで呼吸を補助し、体への負担を軽減できるのです。
ペットが呼吸困難になる原因には、以下のようなものがあります。
- 心臓病(例:僧帽弁閉鎖不全症)
- 肺の病気(例:肺炎、肺水腫、気管虚脱)
- がんや腫瘍
- 高齢や手術後の体力低下
これらの状態のとき、体内の酸素が不足すると命に関わるため、できるだけ早く酸素を供給する必要があります。
市販品は高すぎる?手作りのメリットとは?

ペット用酸素室の市販品は、数万円~数十万円することもあります。また、酸素濃縮器のレンタルも1日1,000円以上かかることが多く、長期間の使用には向かないこともあるでしょう。
一方で、手作りの酸素室は安価かつすぐに対応できるのが最大のメリットです。
ペットの酸素室を手作りする方法

続いて、ペットの酸素室を手作りする方法についてご紹介します。
必要な道具
手作りとはいえ、最低限の機材は必要です。主に以下のようなものを使います。
- 大型の透明プラスチックケース(衣装ケースなど)
- 酸素濃縮器(ネットで購入可能)
- 酸素チューブ(ネットで購入可能)
- 気密性を高めるためのテープ(養生テープやビニールテープ)
- 簡易酸素濃度計(あるとより安心)
作り方の手順
1.衣装ケースのフタに小さな穴をあける
酸素チューブを通すための穴なため、気密性を損なわないような大きさにしましょう。
2.酸素チューブを穴に差し込み、外から酸素濃縮器につなぐ
酸素がケース内に流れこむように設置します。
3.フタとチューブ周辺をしっかりとテープで密閉する
酸素の漏れを防ぐために重要な作業です。
4.ペットをケースに入れ、フタを閉めて様子を見る
必ず目を離さず、苦しそうな場合はすぐに中断しましょう。
手作り酸素室の注意点

続いて、手作り酸素室の注意点について解説します。
換気が必要
完全密閉すると酸素は濃くなりますが、二酸化炭素も溜まる危険性があります。酸素の供給量を調整しつつ、わずかな換気スペースも設けましょう。
温度上昇に注意
プラスチックケース内は熱がこもりやすく、夏場は特に熱中症のリスクが高まります。冷却マットやファンを併用すると効果的でしょう。
長時間の使用はNG
手作り酸素室はあくまで一時的な対応と考えてください。長時間の使用や日常的な治療には、必ず獣医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
ペット用酸素室を手作りするのは、万が一に備えて知っておくべき知識です。必要な道具さえそろえば、短時間で応急対応できるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、手作り酸素室はあくまで一時的な応急措置。長期間の使用や病状が安定しない場合は、やはり医療レベルに近い「酸素室のレンタル」も視野に入れるべきです。
最近では、ペット専用の酸素室や酸素濃縮器を1日単位でレンタルできるサービスも増えており、病院と自宅の橋渡しとして大いに活用されています。
愛するペットの命を守るために、「今すぐできること」と「安心して続けられること」の両方を知っておくことが、飼い主としてとても大切な備えになるでしょう。
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